火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第51号 平成30年6月8日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 6月4日から6月8日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。 硫黄山では活発な火山活動が続いています。 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、4月27日以降、噴火は観測されていません。 硫黄山の南側の火孔からは、白色の噴煙が最高で80mまで上がりました 。また、硫黄山南監視カメラでは、硫黄山の南側で引き続き湯だまりを確認 しました。 硫黄山の西側500m付近の噴気の高さは、50m未満で推移しており、 5月下旬頃から活動が低下している状態が続いています。 火山性地震は、概ね少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低 周波地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。 6月4日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回数 は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更す ることがあります。 火山性地震 火山性微動 6月 4日 3回 ( 1回) 0回 5日 6回 ( 4回) 0回 6日 12回 (10回) 0回 7日 6回 ( 3回) 0回 8日15時まで 3回 ( 2回) 0回 ()内はごく微小な地震 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体 の収縮を示す変動がみられていましたが、5月上旬からその変動は鈍化して います。霧島山を挟む基線では、3月中旬以降、霧島山の深い場所でのマグ マの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていましたが、5月上旬か ら一部の基線でその伸びは鈍化しています。 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注 意してください。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。