火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第40号
平成30年5月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 5月21日から5月25日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。昭和火口及び南岳山頂火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が21回発生し、このうち13回が爆発的噴火で
した。24日19時37分の爆発的噴火では、噴煙は火口縁上3200mま
で上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が5合目(南岳山頂火口より1
000から1300m)まで達しました。本日(25日)13時26分の爆
発的噴火では、噴煙は火口縁上3000mまで上がり、弾道を描いて飛散す
る大きな噴石が6合目(南岳山頂火口より800から1100m)まで達し
ました。また同火口では、連日夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しま
した。
 
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 
 22日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり6200トン(前回4月19日、1500トン)でした。火山ガス観
測中は、南岳山頂火口からごく小規模な噴火が続いており、火山ガスは非常
に多い状態となりました。
 本日は、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり2400トンと多
い状態でした。
 
 21日および22日には鹿児島地方気象台でかすかに感じる程度の臭気が
認められました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しました。また、噴火に伴う火山性微動が
断続的に発生しました。
 
 5月21日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  5月21日       26回    0回    4回
    22日       14回    2回    2回
    23日        5回    7回    2回
    24日        8回    5回    3回
    25日15時まで  12回    4回    2回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続していま
す。桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えら
れます。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。