火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第44号 平成30年5月14日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 5月11日から5月14日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま す。 硫黄山では活発な火山活動が続いています。 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、4月27日以降、噴火は観測されていませんが、活発な噴気 活動が続いています。 硫黄山の南側の火孔付近からは噴煙が最高で300mまで上がりました。 硫黄山の西側500m付近からは噴煙が最高で200mまで上がりました。 火山性地震は、少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低周波 地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。 5月11日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回 数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更 することがあります。 火山性地震 火山性微動 5月11日 3回 ( 2回) 0回 12日 2回 ( 1回) 0回 13日 2回 ( 2回) 0回 14日15時まで 1回 ( 2回) 0回 ()内はごく微小な地震 GNSS連続観測では、硫黄山近傍に設置したGNSSの基線で、硫黄山 で2018年3月頃から山体の膨張を示す変動がみられていましたが、4月 19日の噴火に伴い更に変動量が大きくなりました。その後、収縮に転じて います。霧島山を挟む基線では2017年7月頃から基線の伸びが継続して いましたが、2018年3月6日から7日にかけて急激な収縮が観測されま した。その後、再び伸びに転じています。このことから、霧島山の深い場所 で再びマグマが蓄積されている可能性があります。 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注 意してください。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。