火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第42号 平成30年5月9日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 5月7日から5月9日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします。 硫黄山では活発な火山活動が続いています。 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄山では、活発な噴気活動が続いています。 硫黄山の南側の火孔付近からは白色の噴煙が最高で200mまで上がり、 雲に入りました。硫黄山の西側500m付近からは白色の噴煙が最高で10 0mまで上がり、雲に入りました。 4月27日以降、噴火は発生していません。 本日(9日)えびの高原から実施した現地調査では、硫黄山付近から流出 したと思われる泥水を引き続き確認しています。 火山性地震は、少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低周波 地震が8日に1回発生しました。火山性微動は観測されていません。 5月7日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回数 は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更す ることがあります。 火山性地震 火山性微動 5月 7日 3回 ( 2回) 0回 8日 3回 ( 2回) 0回 9日15時まで 2回 ( 2回) 0回 ()内はごく微小な地震 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激 な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから 、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注 意してください。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。