火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情 報 第39号 平成30年5月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 4月30日から5月2日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします 。 硫黄山では活発な火山活動が続いています。 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 4月19日に噴火が発生した硫黄山の南側の火孔付近及び4月26日に噴 火が発生した硫黄山の西側500m付近では、活発な噴気活動が続いていま す。 硫黄山の南側の火孔付近からは白色の噴煙が最高で700mまで上がり、 硫黄山の西側500m付近からは白色の噴煙が最高で400mまで上がりま した。 4月27日以降、噴火は発生していません。 硫黄山近傍に設置したGNSSの連続観測では、硫黄山を挟む基線で20 18年3月頃から山体の膨張を示す変動がみられていましたが、4月19日 の噴火以降は収縮に転じています。 火山性地震は、少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低周波 地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。 4月30日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回 数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更 することがあります。 火山性地震 ()内はごく微小な地震 火山性微動 4月30日 4回 ( 3回) 0回 5月 1日 7回 ( 4回) 0回 2日15時まで 4回 ( 3回) 0回 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激 な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから 、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注 意してください。 2.防災上の警戒事項等 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(金)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。