火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第53号 平成30年4月23日16時30分 福岡管区気象台 **(見出し)** <噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続> 阿蘇山では、孤立型微動の多い状態が続いていますが、その他の観測デー タに特段の変化がないことから、現時点で火山活動が活発化する兆候は認め られません。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 孤立型微動は、2月までは1日あたり50回前後発生していましたが、3 月1日以降増加し、3月4日には1049回発生しました。その後も多い状 態が続いていますが、3月10日以降は1日あたり200回から400回程 度で経過しています。 火山性地震はやや多い状態、火山性微動の振幅は小さい状態で経過してい ます。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、3月以降、1日あたり500から1 300トンと概ねやや少ない状態が継続しています。 16日に実施した現地調査では、中岳第一火口内に緑色の湯だまりを確認 しました。湯だまり量は前回(3日)に引き続き中岳第一火口底の10割で 、湯だまりの表面温度は約72℃(前回3日、約68℃)と特段の変化はあ りませんでした。 中岳第一火口では、本日(23日)、噴煙は白色で火口縁上200mまで 上がりました。 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。 これらのことから、孤立型微動の多い状態が続いていますが、その他の観 測データに特段の変化がないことから、現時点で火山活動が活発化する兆候 は認められません。 3月3日から発表していた火山の状況に関する解説情報(臨時)は、これ で終了します。 2.防災上の警戒事項等 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、火口内で土砂や 火山灰が噴出する可能性があります。また、火口付近では火山ガスに注意し てください。 火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。