火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第33号
平成30年4月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 硫黄山では、活発な噴気活動が続いており、20日夕方からは硫黄山の西
側でも噴気域の拡大がみられています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、活発な噴気活動が続いています。
 
 20日夕方からは硫黄山の西側の県道1号線付近から噴気が勢いよく上が
るのを観測しています。硫黄山の西側では、その後も噴気域の拡大がみられ
ています。
 
 20日以降、硫黄山の西側の噴気孔からは、噴気が300mまで上がりま
した。
 火孔からの噴煙は白色で、稜線上500mまで上がりました。
 
 硫黄山の火孔付近では、断続的に黒灰色の泥水が噴出し、時折この飛沫が
火口内に飛散していることを観測しています。
 
 だいち2号のSARデータを使用した国土地理院の解析では、硫黄山付近
での隆起がみられています。
 
 硫黄山近傍に設置している地震計では、19日の噴火以降、活発な噴気活
動により振幅の大きい状態が続いています。
 
 4月20日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
 
           火山性地震 ()内はごく微小な地震 火山性微動
  4月20日       2回 (1回)           1回
    21日       2回 (2回)           0回
    22日       1回 (1回)           0回
    23日15時まで  4回 (3回)           0回
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから
、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。
 
 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注
意してください。

2.防災上の警戒事項等
  えびの高原の硫黄山から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降
るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。