火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第31号
平成30年4月20日16時45分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 硫黄山では、19日15時39分頃に噴火が発生し、本日(20日)06
時30分まで継続しました。その後も活発な噴気活動が続いています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 19日15時39分頃に噴火が発生し、本日(20日)06時30分まで
継続しました。
 その後も活発な噴気活動が続いています。噴煙は白色で300mまで上が
りました。

 監視カメラでは、火孔周辺で断続的に黒灰色の泥水が噴出し、時折この飛
沫が火口内に飛散していることを観測しています。

 地殻変動観測では、硫黄山付近が隆起する変動が続いています。

 硫黄山近傍に設置している地震計では、19日の噴火以降、活発な噴気活
動により振幅の大きい状態が続いています。

 4月16日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、噴気に伴う振動が大きいため、振幅の小さな
火山性地震は計数できなくなっています。回数は速報値であり、精査の結果
、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 ()内はごく微小な地震 火山性微動
  4月16日      44回 (27回)          0回
    17日     104回 (70回)          0回
    18日      51回 (42回)          0回
    19日      33回 (15回)          1回
    20日15時まで  1回  (0回)          1回
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから
、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
  えびの高原の硫黄山から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降
るため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。