火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第31号
平成30年4月20日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 4月16日から4月20日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。昭和火口及び南岳山頂火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が10回発生し、このうち6回が爆発的噴火でし
た。噴煙は最高で火口縁上2500mまで上がり、弾道を描いて飛散する大
きな噴石は、最大で6合目(南岳山頂火口より800から1100m)まで
達しました。また、同火口では17日の夜から20日の未明にかけて、夜間
に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 昭和火口では、噴火は観測されていません。

 19日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1500トン(前回4月3日、1400トン)とやや多い状態でした
。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。また、火山性微動が時々発生し
ました。
 
 4月16日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   4月16日         5回     4回     0回
     17日        18回     2回     2回
     18日        12回     0回     2回
     19日         3回     8回     2回
     20日15時まで   14回     2回     0回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続していま
す。桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えら
れます。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。