火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第26号
平成30年4月13日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 4月9日から4月13日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 
 硫黄山近傍に設置している「霧島硫黄山2」の地震計で、7日より振幅の
増大がみられていましたが、11日20時以降振幅は小さくなり、6日以前
の状態に戻りました。
 
 9日と10日にえびの高原から実施した現地調査では、硫黄山西側の噴気
地帯の活動に特段の変化は認められませんでした。

 地殻変動観測では、3月中旬頃から硫黄山付近が隆起する変動がみられて
います。

 噴気は稜線上100mまで上がりました。
 
 火山性地震は、やや多い状態が継続しています。浅い所を震源とする低周
波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
  
 4月9日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
             火山性地震 ( )内はごく微小な地震
  4月 9日        16回 (13回)
    10日        17回 (13回)
    11日        14回 (13回)
    12日        14回 ( 6回)
    13日15時まで    3回 ( 3回)
 
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから
、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、16日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。