火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第59号
平成30年4月6日16時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。

 昨日(5日)15時から本日(6日)15時までに噴火が1回発生しまし
たが、天候不良のため噴煙などの状況は不明でした。

 火山性地震は3日から多い状態が継続しています。浅い所を震源とする低
周波地震が時々発生しています。継続時間の短い火山性微動が発生しました
。
 
 高千穂河原観測点の傾斜計では、噴火の前後で山体がわずかに隆起沈降す
る変動が観測されています。
 
 4月3日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  4月 3日        491回     0回     0回
     4日        357回     0回     0回
     5日        259回     4回     1回
     6日15時まで    57回     3回     0回

 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激
な収縮が観測されました。その後、再び基線の伸びが継続しています。この
ことから、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積している可能性があります
。

 新燃岳では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注
意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れ
るなどのおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。