火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第56号 平成30年4月5日11時20分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 本日(5日)03時31分に新燃岳で爆発的噴火が発生しました。その後 も噴火は継続し、07時15分頃に停止したもようです。 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してく ださい。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳で、本日(5日)03時31分に爆発的噴火が発生し、多量の噴煙 が火口縁上5000mまで上がり、ごく小規模な火砕流が、火口の中心から 南東側へ約800m(火口縁から約400m)まで流下しました。また、弾 道を描いて飛散する大きな噴石が火口の中心から1100mまで飛散しまし た。 その後も噴火は継続しました。03時45分頃からの数分間は噴煙量が増 加し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が断続的に火口周辺に飛散しました 。監視カメラによる観測では、噴煙は火口縁上2500mまで上がり、雲に 入りました。 噴火は07時15分頃には停止したもようです。 高千穂河原の傾斜計では、2日18時頃から山体がわずかに隆起する傾斜 変動がみられていましたが、これらの噴火に伴い山体が沈降する変動がみら れました。その後は、顕著な傾斜変動は認められていません。 新燃岳では、今後も同程度の噴火が発生する可能性がありますので、今後 の火山情報に注意してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概 ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範 囲では警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る おそれがあるため注意してください。 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れ るなどのおそれがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体 等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり ますので留意してください。 火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。