火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第53号
平成30年4月3日14時30分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、本日(3日)、火山性地震が増加しています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、活発な火山活動が続いています。
 
 本日(3日)、火山性地震が増加し00時から14時までに239回発生
しました。継続時間の短い火山性微動が発生しました。
 
 高千穂河原の傾斜計では、昨日(2日)18時頃から山体がわずかに隆起
する傾斜変動がみられています。
 
 3月26日以降、噴火は観測されていません。本日、噴煙は白色で火口縁
上70mまで上がりました。
 
 4月2日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  4月 2日         10回     0回     0回
     3日14時まで   239回     1回     0回

 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸び
が継続していましたが、新燃岳の2018年3月6日の噴火に伴い、3月6
日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激な収縮が観測されました。その
後、再び基線の伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所で
再びマグマが蓄積している可能性があります。
 
 新燃岳では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注
意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れ
るなどのおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(水)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。