火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第26号
平成30年4月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月30日から4月2日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
昭和火口及び南岳山頂火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、爆発的噴火が6回発生しました。弾道を描いて飛散す
る大きな噴石は、最大で7合目(南岳山頂火口より600mから900m)
まで達しました。4月1日07時40分の爆発的噴火では、噴煙は火口縁上
3000mまで上がりました。また、同火口では3月30日の夜間及び4月
1日の未明に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 昭和火口では、噴火が3回発生しました。4月1日16時11分の噴火で
は、ごく小規模な火砕流が北東側へ800m流下しました。昭和火口で火砕
流が発生したのは2016年6月3日以来です。弾道を描いて飛散する大き
な噴石は、最大で6合目(昭和火口より300mから500m)まで達しま
した。噴煙は最高で火口縁上1700mまで上がり、雲に入りました。昭和
火口で噴火が発生したのは2018年1月8日以来です。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しました。また、噴火に伴う火山性微動が
発生しました。
 
 3月30日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   3月30日        11回     2回     0回
     31日         5回     5回     2回
   4月 1日        10回    15回     3回
      2日15時まで    7回     1回     1回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続していま
す。桜島では、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられます
。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。