火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第48号
平成29年12月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、火山性地震が増加し、火山活動はやや高まった状態であると
考えられます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳火口付近を震源とする火山性地震が昨日(2日)は201回、本日
(3日)15時までは39回発生しました。振幅のやや大きな地震も時々発
生しています。地震回数が200回を超えたのは、2017年10月18日
の207回以来です。
 火山性微動は11月30日以降、観測されていません。
 
 監視カメラによる観測では、昨日は白色の噴煙が火口縁上200mまで上
がりました。本日は天候不良のため噴煙の状況は確認できません。 
 
 11月29日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。
なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
               火山性地震    火山性微動
  11月29日         29回       1回
     30日         14回       0回
  12月 1日         48回       0回
      2日        201回       0回
      3日15時まで    39回       0回
 
 地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められま
せん。GNSS連続観測では、7月頃からみられていた霧島山を挟む基線で
の伸びが一時停滞していましたが、10月末以降、再び伸びがみられます。
このことから、霧島山の深い場所でマグマが蓄積されていると考えられます
。
 
 これらのことから、火山活動はやや高まった状態であると考えられます。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね2kmまで、火砕流が概
ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るおそれがあるため注意してください。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石
流にも注意してください。
 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。