火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第37号 平成29年10月31日16時20分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 10月30日から10月31日15時までの霧島山(新燃岳)の活動状況 をお知らせします。 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が続いています。 本日(31日)、実施した現地調査では、新燃岳の西側斜面の割れ目付近 と割れ目下方の噴気や熱異常域の状態に、特段の変化は認められませんでし た。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり100トン(前回30 日、1日あたり200トン)でした。 監視カメラによる観測では、噴煙が火口縁上500mまで上がりました。 火山性地震は、昨日(30日)は15回、本日は15時までに3回発生し ました。 火山性微動は、観測されていません。 地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められま せんが、GNSS連続観測では、7月頃から霧島山を挟む基線で伸びの傾向 がみられており、霧島山の深い場所でマグマが蓄積されていると考えられる ことから、今後も火山活動の推移に注意が必要です。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね2kmまで、火砕流が概 ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範 囲では警戒してください。 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ れて降るおそれがあるため注意してください。 また、爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石 流にも注意してください。 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11月2日(木)16時頃に発表の 予定です。 なお、噴煙が火口縁上2000m以上に上がった場合や、火山活動の状況 に変化があった場合には、随時お知らせします。