火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第31号
平成29年10月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 10月24日から10月25日15時までの霧島山(新燃岳)の活動状況
をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、活発な火山活動が続いています。
 
 本日(25日)、新湯温泉付近から実施した現地調査では、新燃岳の西側
斜面の割れ目付近と割れ目の下方の噴気や熱異常域の状態に、特段の変化は
認められませんでした。

 監視カメラによる観測では、白色の噴煙が火口縁上200mまで上がりま
した。
 
 新燃岳付近の火山性地震は、昨日(24日)は12回、本日は15時まで
に7回発生しました。 
 火山性微動は、観測されていません。
 
 地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められま
せんが、GNSS連続観測によると、2017年7月頃から霧島山を挟む基
線で伸びの傾向がみられており、霧島山の深い場所で膨張している可能性が
あります。

 えびの岳付近(新燃岳の北西6km付近)では、本日、火山性地震が1回
発生しました。この付近は、2011年の新燃岳の噴火でマグマを供給した
と推定される領域です。
 
 新燃岳では、当面、火山灰を噴出する噴火の発生が考えられます。また、
今後、多量のマグマが新燃岳直下ヘ供給されれば、規模の大きな噴火が発生
する可能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 風下側では、火山ガスにも注意してください。また、地元自治体等が発表
している火山ガスの情報にも留意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。
 
 次の火山の状況に関する解説情報は、26日(木)16時頃に発表の予定
です。
 なお、噴煙が火口縁上2000m以上に上がった場合や、火山活動の状況
に変化があった場合には、随時お知らせします。