火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第58号
平成29年10月13日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月10日から10月13日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山
)周辺)の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 えびの高原(硫黄山)周辺では、9月5日に火山性地震が一時的に増加し
ました。その後、火山性地震は少ない状態で経過していますが、火山ガスや
熱水が関与していると考えられる浅い低周波地震が時々観測されています。
火山性微動は観測されていません。
 
 監視カメラによる観測では、噴気が10日に稜線上200mまで上がりま
した。
 えびの高原(硫黄山)周辺では、2015年12月頃に出現した熱異常域
が次第に拡大し、噴気の量が増加しています。一方、硫黄山南西観測点の傾
斜計で、4月25日から続いていた硫黄山方向が隆起する傾斜変動は、8月
中旬から概ね停滞しています。
 GNSS連続観測によると、7月頃から霧島山を挟む基線で伸びの傾向が
みられており、霧島山の深い場所で膨張している可能性があります。
 
 また、硫黄山の南西3km付近で、10月6日以降地震が多発しています
が、今期間も時々発生しました。
 
 10月10日からの火山性地震の発生回数は以下のとおりです。なお、回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
              火山性地震
   10月10日        1回
      11日        1回
      12日        2回
      13日15時まで   2回
 
 えびの高原(硫黄山)周辺では、火山活動が高まっており、小規模な噴火
が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、16日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。