火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第56号
平成29年10月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月2日から10月6日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山)周
辺)の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 えびの高原(硫黄山)周辺では、9月5日に火山性地震が一時的に増加し
ました。その後、火山性地震は少ない状態で経過していますが、火山ガスや
熱水が関与していると考えられる浅い低周波地震が時々観測されています。
火山性微動は観測されていません。

 10月4日に実施した現地調査では、硫黄山周辺で引き続き明らかに感じ
る程度の火山ガスの臭気や大きな噴気音を伴う噴気活動が認められました。

 監視カメラによる観測では、噴気が4日に稜線上200mまで上がりまし
た。
 えびの高原(硫黄山)周辺では、2015年12月頃に出現した熱異常域
が次第に拡大し、噴気の量が増加しています。一方、硫黄山南西観測点の傾
斜計で、2017年4月25日から続いていた硫黄山方向が隆起する傾斜変
動は、8月中旬から概ね停滞しています。

 GNSS連続観測によると、2017年7月頃から霧島山を挟む基線で伸
びの傾向がみられており、霧島山の深い場所で膨張している可能性がありま
す。
 
 10月2日からの火山性地震の発生回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

              火山性地震
   10月 2日        1回
       3日        1回
       4日        0回
       5日        0回
       6日15時まで   0回

 えびの高原(硫黄山)周辺では、火山活動が高まっており、小規模な噴火
が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒して下さい。風下側では、降灰及び風の影響を受
ける小さな噴石(火山れき)に注意して下さい。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(火)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。