火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第71号
平成29年9月1日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月28日から9月1日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が2回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が最大で5合目(昭和火口より500mから800m)まで達しました。
同火口では8月21日(期間外)から28日にかけて、ごく小規模な噴火が
断続的に発生し、これに伴い火口付近に大きな噴石が飛散しています。また
、8月25日(期間外)から28日にかけて、夜間に高感度の監視カメラで
明瞭に見える火映を観測しました。

 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。

 8月29日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
1日あたり1600トン(前回8月23日1900トン)とやや多い状態が
継続しています。

 火山性地震は、少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発
生しています。

 8月28日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。

              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   8月28日        23回     3回     1回
     29日        48回     0回     0回
     30日         6回     0回     0回
     31日         8回     0回     0回
   9月 1日15時まで   21回     0回     1回

 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しており
、今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。