火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第41号
平成29年8月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月14日から8月18日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山)周
辺)の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山周辺では、2015年12月頃に出現した熱異常域が次第に拡大し
、噴気の量が増加しています。こうした中で、2017年4月25日から硫
黄山南西観測点の傾斜計で、硫黄山方向が隆起する傾斜変動が続いています
。

 17日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり10トン未満(前回7月13日20トン)でした。また、硫黄山火口
周辺で引き続き明らかに感じる程度の火山ガスの臭気や、大きな噴気音を伴
う噴気活動が認められました。
 
 監視カメラによる観測では、白色の噴気が最高で30mに上がるなど、噴
気活動が続いています。
 
 火山性地震は17日に一時的に増加しましたが、それ以外の日は少ない状
態で経過しました。火山性微動は観測されていません。
 
 8月14日からの火山性地震の発生回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
              火山性地震
    8月14日        0回
      15日        0回
      16日        0回
      17日       11回
      18日15時まで   1回
 
 硫黄山周辺の噴気活動の活発化は、過去にみられていた領域に限定されて
いますが、硫黄山火口のごく浅いところでわずかな膨張がみられており、火
口周辺に火山灰を降らせる噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に警戒して
ください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。