火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第19号
平成29年6月2日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 5月29日から6月2日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺
)の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 2015年12月頃から長期的に熱異常域の拡大や噴気量の増加が認めら
れています。こうした中で、2017年4月25日11時頃から硫黄山南西
観測点の傾斜計で、硫黄山付近が隆起する傾斜変動がみられています。

 5月29日及び6月1日に実施した硫黄山火口周辺の現地調査では、引き
続き明らかに感じる程度の火山ガスの臭気や大きな噴気音を伴う活発な噴気
活動が認められました。赤外熱映像装置による観測では、引き続き熱異常域
が認められました。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、6月1日には1日
あたり10トン未満(前回5月22日10トン未満)でした。

 監視カメラによる観測では、噴気が一時的に稜線上80mまで上がるなど
、活発な噴気活動が続いています。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。

 5月29日からの火山性地震の発生回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

              火山性地震  
    5月29日        1回
      30日        0回
      31日        0回
    6月 1日        0回
       2日15時まで   1回

 えびの高原(硫黄山)周辺では、火山活動が高まっており、小規模な噴火
が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>