火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第25号
平成29年3月27日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月24日から3月27日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。なお、南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石
や小規模な火砕流を伴う爆発的噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、25日18時03分及び22時28分に噴火が発生し
ました。18時03分の噴火では、火砕流が南側へ約1100m流下しまし
た。22時28分の噴火では、噴煙が火口縁上1400mまで上がりました
。

 25日に実施した現地調査では、桜島島内の鹿児島市黒神町付近(南岳山
頂火口から東側約4.5km)で、18時03分の噴火に伴って降ったと推
定されるやや多量の降灰を確認しました。

 昭和火口では、噴火は観測されていません。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。25日18時03分の噴火に
伴う火山性微動を観測しました。

 3月24日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。

              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   3月24日        48回     0回     0回
     25日        30回     1回     0回
     26日        31回     0回     0回
     27日15時まで   19回     0回     0回

 GNSS連続観測によると、姶良カルデラの膨張を示す基線の伸びの傾向
は、2016年11月頃から一部の基線で鈍化が認められるものの、継続し
ています。
 桜島の噴火活動は2016年8月以降低下していますが、姶良カルデラの
地下深部の膨張が継続していることから、火山活動が再び活発化する可能性
があります。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、31日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>