火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第10号
平成29年2月6日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 2月3日から2月6日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火は観測されていません。

 南岳山頂火口では、噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。

 3日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では、
昭和火口及び南岳山頂火口の火口底が閉塞していることを確認しました。昭
和火口の火口壁からは、火口内で留まる程度の噴気を観測しました。

 火山性地震及び火山性微動は少ない状態で経過しています。

 2月3日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。

              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
     2月3日       14回     2回     0回
       4日        7回     0回     0回
       5日        3回     0回     0回
       6日15時まで   8回     0回     0回
       
 GNSS連続観測によると、姶良カルデラの地下のマグマだまりの膨張速
度は2015年1月からやや増加していましたが、2016年11月頃から
鈍化しています。
 桜島の噴火活動は2016年8月以降低下していますが、姶良カルデラへ
のマグマの供給が継続していることから、火山活動が再び活発化する可能性
があります。引き続き火山活動の推移に注意が必要です。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>