火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第8号
平成29年1月30日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月27日から1月30日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。

 白色の噴煙は、最高で火口縁上400mまで上がりました。また期間をと
おして夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動の振幅は小さく、
孤立型微動は少ない状態で経過しています。

 1月27日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりです
。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震  孤立型微動
   1月27日      24回     6回
     28日      19回     2回
     29日      20回    10回
     30日15時まで  8回    10回

 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 GNSS連続観測では、2016年7月頃から認められていた、草千里深
部にあると考えられているマグマだまりの膨張を示す基線の伸びは、11月
中旬以降は停滞しています。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が2016年12月下旬までやや多い状
態で経過していたことから、引き続き火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火
が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな
く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して
ください。また、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、2月3日(金)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>