火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第105号
平成28年12月22日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 12月19日から12月22日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上がり、期間を
通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。

 昨日(21日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は、1日あたり1400トン(前回16日1000トン)で、引き続き多い
状態でした。

 火山性微動の振幅は小さな状態で経過しています。火山性地震及び孤立型
微動は概ね少ない状態で経過しています。

 12月19日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりで
す。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま
す。
            火山性地震  孤立型微動
  12月19日      52回    12回
     20日      27回    12回
     21日      17回    26回
     22日15時まで  8回    12回

 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 GNSS連続観測では、2016年7月頃から認められていた、草千里深
部にあると考えられているマグマだまりの膨張を示す基線の伸びは、11月
中旬以降は停滞しています。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は多い状態で経過していることから、今
後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな
く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して
ください。また、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、26日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>