火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第100号
平成28年12月5日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 12月2日から12月5日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。
 
 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がり、期間を
通して夜間に高感度カメラで火映を観測しました。

 火山性地震は概ねやや多い状態で経過しています。火山性微動の振幅は概
ね小さく、孤立型微動はやや少ない状態で経過しています。

 本日(5日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
、1日あたり1600トン(前回11月28日2700トン)と引き続き多
い状態でした。

 12月2日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりです
。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
            火山性地震  孤立型微動
  12月 2日      37回    23回
      3日      53回    24回
      4日      45回    22回
      5日15時まで 51回    11回

 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 GNSS連続観測では、2016年7月頃から認められていた、山体の膨
張の可能性が考えられるわずかな伸びの傾向が、10月中旬以降鈍化してい
ます。

 阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も爆発的噴火
が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな
く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して
ください。また、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>