火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第95号 平成28年11月18日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 11月14日から11月18日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせ します。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。 遠望観測では、噴煙が最高で300mに上がり、17日の夜間には高感度 カメラで火映を観測しました。 16日に京都大学大学院理学研究科が実施した現地調査では、中岳第一火 口内に緑色の湯だまりを確認しました。中岳第一火口底南西側及び南側火口 壁から噴気が勢いよく噴出し、また、南側火口壁の一部に赤熱を確認しまし た。 16日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1 日あたり3300トン(前回9日2500トン)と引き続き多い状態でした 。 火山性地震はやや多い状態で経過しています。火山性微動の振幅は概ね小 さな状態で経過しており、孤立型微動は少ない状態で経過しています。 11月14日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりで す。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま す。 火山性地震 孤立型微動 11月14日 90回 10回 15日 60回 9回 16日 80回 12回 17日 61回 13回 18日15時まで 38回 7回 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、山体の膨張の可能性が考えられるわずかな伸びの 傾向が、2016年7月頃から認められています。 阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も爆発的噴火 が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して ください。また、火山ガスに注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>