火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第94号
平成28年11月14日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 11月11日から11月14日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりました。
また、火映を12日と13日に観測しました。火映を観測したのは、201
5年4月26日以来です。

 火山性微動の振幅は小さく、孤立型微動は少ない状態で経過しています。
火山性地震はやや多い状態で経過していましたが、13日から多い状態とな
っています。

 11月11日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりで
す。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま
す。
            火山性地震  孤立型微動
  11月11日      63回     6回
     12日      75回    11回
     13日     109回    12回
     14日15時まで 84回     6回

 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 GNSS連続観測では、山体の膨張の可能性が考えられるわずかな伸びの
傾向が、2016年7月頃から認められています。

 阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も爆発的噴火
が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな
く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して
ください。また、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>