火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第85号
平成28年10月14日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
10月11日から10月14日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、8日01時46分(期間外)の噴火後、噴火は観測さ
れていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がり、雲に入
りました。

 12日に実施した火口南側から南西側の現地調査では、火口中心から約7
00mの範囲で、直径1から1.5mの大きな噴石が飛散したのを確認しま
した。また、中岳第一火口内に灰白色の湯だまりを確認し、赤外熱映像装置
による観測では、湯だまり表面の最高温度は約90℃と前回(9月28日:
約70℃)に比べて高くなっていました。

 火山性微動の振幅は概ね小さい状態となっています。孤立型微動は少ない
状態となっています。火山性地震は、概ね多い状態で経過しました。

 12日に実施した現地調査では 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1
日あたり1400トンと前回(11日:600トン)よりやや増加し多い状
態となりました。

 傾斜計では、爆発的噴火後に火山活動に伴う特段の変化は認められていま
せん。

 GNSS連続観測では、草千里を挟む基線で、2016年7月頃からわず
かな伸びの傾向が認められており、深部のマグマだまりの膨張の可能性が考
えられます。

 阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も8日の爆発
的噴火と同程度の噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでな
く、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意して
ください。また、火山ガスに注意してください。 

  次の火山の状況に関する解説情報は、17日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>