火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第83号
平成28年10月8日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、本日(8日)01時46分に爆発的噴火が発生しまし
た。

 本日午前、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が九州地方整備局の協力
により実施した上空からの観測によると、中岳第一火口の南東側1.2km
で、赤外熱映像装置により大きな噴石と思われる温度の高い箇所が認められ
ました。噴火に伴う火山灰等によると考えられる灰色の変色域は、中岳第一
火口の北西側で1.6km、南東側で1.0kmに認められ、北東側にのび
ていました。中岳第一火口では、白色の噴煙が火口縁上、約300mの高さ
に上がっており、目視できる範囲で火口内に湯だまりは確認できませんでし
た。

 本日、実施した現地調査及び電話による聞き取り調査では、15時現在で
熊本県、大分県、愛媛県、香川県で降灰を確認しました。火口から北東約6
kmにある阿蘇警察署で約3cm積もるなど、阿蘇山の北東側で多量の降灰
となっています。

 火山性微動の振幅は、7日10時頃から大きい状態となっていましたが、
本日13時頃からやや小さい状態となっています。

 傾斜計では、爆発的噴火の後に火山活動に伴う特段の変化は認められてい
ません。

 GNSS連続観測では、草千里を挟む基線で2016年7月頃からわずか
な伸びの傾向が認められており、深部のマグマだまりの膨張の可能性が考え
られます。

 阿蘇山の火山活動は活発な状態となっており、今後も本日01時46分と
同程度の噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな
噴石が2kmを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石及
び火山ガスにも注意してください。

  火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>