火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第82号
平成28年10月8日03時40分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇中岳第一火口では、本日(8日)01時46分に爆発的噴火が発生し
ました。阿蘇中岳第一火口で爆発的噴火が発生したのは、1980年1月2
6日以来です。

 中岳西山腹観測点では振幅が1865マイクロメートル毎秒の火山性微動
が発生し、南阿蘇村中松で震度2を観測しました。火山性微動により震度2
以上を観測したのは、1995年1月4日(震度2)以来です。また、この
微動に伴い古坊中観測点では189パスカルの空振を観測しました。振幅の
大きな微動が発生した時間帯を含め、これまで遠望観測では噴煙の状況は天
候不良のため不明です。

 傾斜計では、爆発的噴火の前に山体の膨張を示す変動が認められました。

 GNSS連続観測では、草千里を挟む基線で2016年7月頃からわずか
な伸びの傾向が認められており、深部のマグマだまりの膨張の可能性が考え
られます。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が2k
mを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意して
ください。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>