火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第65号
平成28年8月12日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月8日から8月12日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりました。

 9日に実施した現地調査では、前回(4日)に引き続き、中岳第一火口内
に灰緑色の湯だまり及びごく小規模な土砂噴出を確認しました。湯だまりの
量は中岳第一火口底の7割でした。赤外熱映像装置による観測では、湯だま
り表面の最高温度は約70℃でした。

 10日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1700トン(前回2日1500トン)と多い状態でした。

 火山性微動の振幅は、やや大きな状態で経過しました。

 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 中岳第一火口では、火山性微動の振幅がやや大きく、火山ガス(二酸化硫
黄)の放出量が多い状態であり、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生
する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰、風の影響を受ける小さな噴石及び火山ガスに注意してく
ださい。 

  次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>