火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第63号
平成28年8月5日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月1日から8月5日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、噴煙が最高で火口縁上700mまで上がりました。

 2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1500トン(前回7月5日1200トン)と多い状態でした。

 昨日(4日)実施した現地調査では、前回(1日)に引き続き、中岳第一
火口内に灰緑色の湯だまり及びごく小規模な土砂噴出を確認しました。湯だ
まりの量は中岳第一火口底の7割でした。

 火山性微動の振幅は、やや大きな状態で経過しました。

 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 中岳第一火口では、火山性微動の振幅がやや大きく、火山ガス(二酸化硫
黄)の放出量が多い状態であり、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生
する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰、風の影響を受ける小さな噴石及び火山ガスに注意してく
ださい。 

  次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>