火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第41号
平成28年5月20日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 5月16日から5月20日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、今期間噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。

 19日に実施した現地調査では、前回(5月13日)に引き続き、中岳第
一火口内に灰色の湯だまり、小規模な土砂噴出、火口底に高温の噴気孔を確
認しました。
 また、17日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は、1日あたり1900トン(前回4月30日2500トン)と多い状態で
した。

 火山性微動の振幅は、小さな状態で経過しました。孤立型微動は多く、火
山性地震は少ない状態でした。

 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 4月14日以降、熊本県から大分県にかけて活発な地震活動(平成28年
(2016年)熊本地震)が続いていますが、これに伴う阿蘇山の火山活動
に特段の変化はみられません。

 中岳第一火口では、時々小規模な噴火が発生していることから、今後も火
口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>