火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第19号
平成28年3月4日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 2月29日から3月4日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、本日(4日)06時56分に噴火が発生し、乳白色の
噴煙が火口縁上1000mまで上がりました。中岳第一火口で噴火が発生し
たのは2月18日以来です。噴火後は、白色の噴煙が最高で火口縁上300
mまで上がっています。

 火山性微動の振幅は、概ね大きな状態で経過していましたが、本日発生し
た噴火後は、小さな状態となっています。

 3月2日、3日に実施した現地調査では、中岳第一火口内に湯だまりを確
認しました。3日には土砂噴出を確認しましたが、高さは噴煙のため不明で
した。

 3月2日に産業技術総合研究所及び気象庁が実施した観測では、火山ガス
(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり1500から2500トン(前回2
月19日800トン)と多い状態でした。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、2015年8月頃からわずかな伸びの傾向が認められてい
ましたが、11月頃から停滞しています。

 中岳第一火口では、時々小規模な噴火が発生していることから、今後も火
口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、7日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>