火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第15号
平成28年2月19日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
2月15日から19日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 17日03時30分頃に、空振を伴う振幅の大きな火山性微動が発生しま
した。火口周辺は雲に覆われていたため、噴煙は確認できませんでした。1
7日に行った現地調査及び聞き取り調査では、火口から南東方向の高森町で
降灰を確認しました。このことから、火山性微動の発生時に噴火が発生した
と考えられます。中岳第一火口で噴火が発生したのは、2015年12月2
5日以来です。18日に実施した現地調査では、この噴火に伴うと思われる
新たな噴石の飛散を、火口周辺で確認しました。
 18日16時57分に小規模な噴火が発生し、乳白色の噴煙が火口縁上1
600mまで上がりました。遠望カメラで火口から北西約400mに噴石が
飛散するのを確認しました。この噴火に伴い、空振を伴う振幅の大きな火山
性微動が発生しました。18日に実施した現地調査では、火口から北東方向
約7kmの範囲で降灰を確認しました。

 18日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1
日あたり300トンと(前回10日1500トン)とやや少ない状態でした
。
 火山性微動の振幅は、大きな状態で経過しました。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、2015年8月頃からわずかな伸びの傾向が認められてい
ましたが、11月頃から停滞しています。

 中岳第一火口では、時々小規模な噴火が発生していることから、火口周辺
に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>