火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第7号
平成28年1月22日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月18日から22日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、今期間噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。

 20日11時23分に、中岳第一火口付近のごく浅い所を震源とする振幅
の大きな火山性地震が発生し、南阿蘇村中松で震度1を観測しました。火山
性地震により震度1以上を観測したのは、2015年12月4日(震度1)
以来です。地震の前後で、噴煙や地殻変動等に特段の変化は認められません
でした。

 火山性微動の振幅は、小さな状態で経過し、孤立型微動は多い状態でした
。

 20日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1
日あたり1500トン(前回11日400トン)と多い状態でした。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、2015年8月頃からわずかな伸びの傾向が認められてい
ましたが、11月頃から停滞しています。

 中岳第一火口では、2014年11月以降、活発な火山活動が続いてきた
ことから、当分の間は火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があり
ます。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>