火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第87号
平成27年10月21日18時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
第133回火山噴火予知連絡会見解

 本日(21日)、第133回火山噴火予知連絡会が開催され、阿蘇山の火
山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 阿蘇山の火山活動に関する検討結果

 阿蘇山では活発な火山活動が続いており、今後も9月14日と同程度の噴
火が発生する可能性があります。

 阿蘇山中岳第一火口では、9月14日09時43分に噴火が発生し、噴煙
が火口縁上2000mまで上がり、弾道を描く大きな噴石が火口中心から約
700mの範囲に飛散し、小規模な火砕流が火口縁から最大約1.3km流
下しました。この噴火はマグマ水蒸気噴火と考えられます。その後も小規模
な噴火がほぼ連続しています。
 二酸化硫黄放出量は、1日あたり900から1900トンと多い状態が続
いています。
 火山性微動の振幅は10月1日以降急激な増減がみられ、振幅の増大時に
は噴煙の勢いが増す傾向がみられています。
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で8月頃からわずかな伸びがみられています。
 以上のように、阿蘇山では活発な火山活動が続いており、当分の間は9月
14日と同程度の噴火が発生する可能性がありますので、火口から概ね2k
mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警
戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて
降るおそれがあるため注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意して
ください。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>