火山名 雌阿寒岳 火山の状況に関する解説情報 第42号 平成27年10月2日16時00分 札幌管区気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 1.火山活動の状況 雌阿寒岳では、火山活動が活発な状態で経過しています。 10月1日に実施した現地調査及び上空からの観測(海上保安庁の協力に よる)では、今年7月の現地調査と比較してポンマチネシリ火口第4火口の 北壁における地熱域のわずかな拡大や、96-1火口の噴煙の勢いの増加が 確認されました。また、昨年10月の現地調査と比較して96-1火口底の 温度上昇が認められました。 ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、身体には感じない程 度の微小な火山性地震は、8月下旬以降1日あたり10回程度以下で推移し ていますが、2015年4月中旬以前の活動と比べてやや多い状態です。 全磁力連続観測では、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下における熱 活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。 9月28日から本日(10月2日)にかけて、ポンマチネシリ96-1火 口の噴煙の高さは火口縁上200m以下で経過し、特段の変化は認められま せん。 火山性微動は観測されていません。また、地殻変動観測では特段の変化は みられません。 火山性地震の発生回数(速報値)は以下のとおりです。 火山性地震 9月26日 2回 27日 4回 28日 3回 29日 9回 30日 2回 10月 1日 5回 2日(15時まで) 1回 2.防災上の警戒事項等 ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾 道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意 してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>