火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第60号
平成27年7月31日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (7月27日から31日15時)
 阿蘇山では、今期間噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上700mまで上がりました。

 29日から31日に実施した現地調査では、141火孔内の一部に湯だま
りを確認し、湯だまり内にごく小規模な土砂噴出を確認しました。赤外熱映
像装置による観測では、湯だまりの温度は約80度と高い状態でした。また
、京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センターが確認
した141火孔南西側の噴気孔上部の温度は約100度でした。

 29日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり180
0トン(前回24日1300トン)と多い状態でした。

 火山性微動の振幅は小さな状態となっています。孤立型微動は概ね多い状
態で経過しています。火山性地震は時々発生しています。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口では火山活動が停滞する傾向がみられるものの、活発な火山
活動が続いていることから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火
に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。火口周辺では
強風時に小さな噴石が1kmを超えて降るため、風下側では火山灰だけでな
く小さな噴石にも注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、8月3日(月)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>