火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第60号
平成27年7月21日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(7月17日から21日15時)
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が2回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石は最大5合目(昭和火口より500から800m)まで達しました。また、
同火口では、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映を18日に
観測しました。

 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している伸縮計では、1月1日頃から山体の膨張と考えら
れる変化が継続しています。
 これにより、2012年7月24日及び2013年8月18日以上の多量
の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。今後の火山活動に注
意してください。
  
 7月17日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 7月17日         20回     9回     1回 
 7月18日         29回     8回     1回
 7月19日         15回    29回     0回
 7月20日         48回    35回     0回
 7月21日(15時まで)  18回     8回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、24日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>