火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第52号
平成27年7月3日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (6月29日から7月3日15時)
 阿蘇山では今期間、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上700m以上に上がりました
。

 6月29日に実施した現地調査では、141火孔内の湯だまりが消失して
いるのを確認しました。昨日(7月2日)の現地調査では、141火孔内か
ら白色の噴煙が上がり、一部に湯だまりを確認しました。また、火口カメラ
(阿蘇火山博物館)で、湯だまり内にごく小規模な土砂噴出を確認しました
。

 火山性微動の振幅は、6月29日以降は概ね小さな状態となっています。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口では火山活動が停滞する傾向がみられるものの、活発な火山
活動が続いていることから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火
に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。火口周辺では
強風時に小さな噴石が1kmを超えて降るため、風下側では火山灰だけでな
く小さな噴石にも注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>