火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第36号 平成27年5月8日16時00分 福岡管区気象台 **(本 文)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 1.火山活動の状況 (5月1日から8日15時) 阿蘇山では断続的な噴火活動が続いています。 遠望観測では1日に噴煙が最高で火口縁上1000m以上まで上がりまし た。 3日22時04分に、継続時間約5分間の振幅の大きな火山性微動が発生 し、南阿蘇村中松で震度1を観測しました。火山性微動により震度1以上を 観測したのは、1995年7月4日(震度1)以来です。その後の火山性微 動の振幅は、概ね大きな状態が継続しています。 4日に実施した現地調査では、火口から北東約4kmの阿蘇市一の宮町宮 地で、3日の火山性微動に伴って噴出したと推定される降灰の痕跡を確認し ました。5日に実施した現地観測では、中岳第一火口内の141火孔の南側 が陥没していることを確認しました。鳴動及び火山灰、噴石の噴出は確認で きませんでした。 本日(8日)12時58分頃に、中岳第一火口付近のごく浅い所を震源と する、最大震度3の地震が発生しましが、噴煙等に特段の変化は認められま せんでした。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千 里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が1k mを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意して ください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>