火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第32号
平成27年4月24日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(4月20日から24日15時)
 阿蘇山では連続的な噴火活動が続いています。

 遠望観測では、23日と24日に噴煙が最高で火口縁上1500mまで上
がりました。噴煙が1500mまで上がったのは2014年11月27日以
来です。

 21日、22日、23日に現地調査を実施しました。中岳第一火口内の1
41火孔から大きな鳴動とともに火山灰を噴出し、時折、噴石が最高で火口
縁上200mまで上がっているのを確認しました。

 21日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり150
0トン(前回3月25日3700トン)と多い状態でした。

 遠望カメラ(高感度カメラ)で、赤熱した噴石が最高で火口縁上200m
まで上がっていることを確認したほか、火映を時々観測しました。

 火山性微動の振幅は、概ね大きな状態が継続しています。また、噴火に伴
う空振を時々観測しました。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは、停滞しています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が1k
mを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、27日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>