火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第33号
平成27年4月17日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(4月13日から17日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が23回発生しました。17日13時55分の
爆発的噴火ではやや多量の噴煙が火口縁上3000mまで上昇しました。同
日02時49分の爆発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が3合
目(昭和火口より1300から1800m)まで達しました。また、同火口
では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を14日に観測しました。

 4月15日及び16日に実施した現地調査では、1日あたりの二酸化硫黄
の放出量は15日が5400トンと非常に多く、16日は400トン(前々
回4月10日、2500トン)とやや少ない状態でした。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18
日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。今後の
火山活動に注意してください。

 火山性地震は15日と16日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない
状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。
  
 4月13日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  4月13日         39回    17回     3回
 4月14日         35回    17回     4回
 4月15日         91回    14回     4回
 4月16日         73回    19回     7回
 4月17日(15時まで)  19回    19回     5回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、20日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>