火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第22号
平成27年3月23日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。

 火口カメラ(東北地方整備局)による観測では、2015年1月以降に確
認された、一切経山南山腹の大穴火口外の2箇所の融雪域と噴気は引き続き
みられています。
 遠望カメラの観測では、大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いてい
ます。

 傾斜計の観測では、2014年4月頃からの緩やかな西側(火口方向側)
上がりの変動が続いています。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさいきょう
ざん)南山腹観測点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で変化がみ
られており、一切経山付近の膨張を示唆すると考えられます。
 
 大穴火口直下付近を震源とする火山性地震は、2014年10月から増加
し、12月からは多い状態となりましたが、2015年3月中旬以降、少な
い状態で経過しています。
 火山性微動は2月15日以降観測されていません。

 平成27年3月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   3月 1日から16日     76回        0回
     17日           0回        0回
     18日           0回        0回
     19日           0回        0回
     20日           0回        0回
     21日           1回        0回
     22日           0回        0回
     23日(15時まで)    1回        0回

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時00分頃に発表
の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>