火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第17号
平成27年3月2日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月27日から3月2日15時)
 阿蘇山では、連続的な噴火が発生しており活発な噴火活動が続いています
。

 遠望観測では、2月28日に噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりま
した。

 2月27日に実施した現地調査では、噴煙のため中岳第一火口内は見えな
い状況でしたが、時折、大きい鳴動を観測し、わずかに火山灰を含む有色噴
煙を確認しました。

 2月27日に九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、
141火孔は高温の状態が継続しており、有色の噴煙を噴出していました。
南側火口壁は高温の状態が継続していましたが、噴煙は白色で、新たな噴気
孔等は認められませんでした。

 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラで、赤熱した噴石が火口縁上に上が
っていることを確認しました。
 
 火山性微動の振幅は大きい状態が継続し、噴火に伴う空振を時々確認しま
した。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、わずかな伸びの傾向が認められます。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が1k
mを超えて降るため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>