火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第17号
平成27年2月23日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月20日から2月23日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が9回発生しました。21日00時53分の爆
発的噴火では、やや多量の噴煙が火口縁上3500mまで上昇し、弾道を描
いて飛散する大きな噴石が3合目(昭和火口より1300から1800m)
まで達しました。また、同火口では、20日から21日にかけて夜間に高感
度カメラで明瞭に見える火映を観測しました。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18
日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。
 
 引き続き活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、火山活動の推
移に注意してください。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は21日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない状態で経
過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。
 
 2月20日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 2月20日         34回    30回     3回
 2月21日         65回    24回     1回
 2月22日         36回    23回     1回
 2月23日(15時まで)  14回     5回     4回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>