火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第11号
平成27年2月2日17時30分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<本文を訂正します>
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(1月30日から2月2日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が13回発生し、1月30日06時00分の爆
発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が3合目(昭和火口より1
300から1800m)まで達しました。同日実施した現地調査では、桜島
島内の鹿児島市黒神町付近(昭和火口から東側約3.5km)で、この06
時00分の爆発的噴火に伴って落下したと推定される最大約2cmの小さな
噴石(火山れき)を確認しました。

 同火口では、1月30日から31日にかけて夜間に高感度カメラで確認で
きる程度の微弱な火映を観測しました。 

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が一度に解消されると、2012年7月24日及び2013年8
月18日と同規模もしくはそれ以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生す
る可能性があります。今後の火山活動に注意してください。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は1月30日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない状態
で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。
 
 1月30日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 1月30日         53回    16回     5回
 1月31日         34回    20回     7回
 2月 1日         11回    22回     1回
 2月 2日(15時まで)   5回     5回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<訂正箇所>
火山性地震がやや多くなった日付を「26日と29日」から「1月30日」
に訂正します。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>